浄土真宗本願寺派( 本山・西本願寺 )埼玉組のブログです。
 
核家族化が進む現代社会の中で
 


最近、お葬式や法事を執り行わせていただく中で、お一人暮らしのご高齢の方が亡くなられ、死後数日して発見されるという事例が増えてきたように実感致します。

いわゆる 「 孤独死 」 とマスコミ等で取り上げられている問題であります。

過疎地でも、過密地でも独居高齢者の方々が、「 顔を見なくなった事 」 すらも認識されないまま亡くなってゆかれる、まさに現代社会及び、核家族社会の 「 ありのまま 」 の現実であるように思います。

以前から私のお寺では、核家族社会の中だからこそ 「 高齢者と子どもたち 」 の交流が、お寺で行なえないもかと思案致しておりました。

高齢者の方々が持っていらっしゃる、昔ながらの知恵や、工夫、伝統、竹トンボなどの工作、そして遊び等を、次世代の子ども達に共有(教え)していただける場に出来ないものかと思い、数ヶ月前から実験的に、関西出身のご門徒のお婆ちゃんにお寺の習字クラスの先生役をお願いしてみる事に致しました。

最初は固辞されていたお婆ちゃんですが、試しに出ていただいた時に、子ども達に 「 折り紙 」 を教えていただき、それが子供たちだけでなくママ達にも大好評!でして、それ以降、先生役を引き受けてくださっています。

私達にないものを、次世代に伝えていただく、教えていただく発見が若い世代にはありました。

そして、高齢者のお婆ちゃんにとっては、地元を離れ友達も少ない中で、自宅に引きこもりがちであったものが、小さい子ども達の時間や刺激によって、「 Face to Face ( フェイス ツウ フェイス )」 の社会の中で生きている実感と喜びであったとの事でした。

埼玉のお寺では、地域性や世代状況等を踏まえて、それぞれのお寺がそれぞれの特色や特性を生かした法座活動や、アクティビティ(社会活動)を行なっております。

核家族化された現代社会だからこそ、アナログの 「 Face to Face ( フェイス ツウ フェイス )」 というお寺づくりの原点の一つを教えてくれているように感じる、孤独死問題でありました。

皆さまも、どうぞ 「 お近くのお寺 」 にお立ち寄りしてみては如何でしょう。

合掌
【2012.03.30 Friday 17:08】 author : saitamaso
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