浄土真宗本願寺派( 本山・西本願寺 )埼玉組のブログです。
 
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お布施の意味

 

お葬儀やご法事の際、お供え(茶葉や菓子類など)やお布施を施主様からお預かりさせていただきます。

 

お預かりと書きましたように、施主様が「 御本尊にお供えしてください 」という願いの中で、お預かりした財の施しを住職(や僧侶)が受領し、お寺の本堂にお供えさせていただくものです。

 

私(埼玉組広報担当・埼玉県内のとある本願寺派寺院住職)は、お葬儀の際など控室でお布施をお預かりする際、出来る限り申し上げることがあります。それは、

 

「 お布施はけっして私・住職(僧侶)へのお礼ではありませんし、通夜葬儀の読経料でもございません 」

 

「 喪主様やご遺族の皆様の、尊い財の一部を葬儀というご法縁に際して施(ほどこ)していただいた御布施としてお預かりし、お寺に戻り、お供えさせていただくのです 」

 

「 このお布施は、私共のお寺(〇〇寺)では、次の世代やさらにその先の後世に生きとし生ける方々に、仏教そして浄土真宗の教えを伝えていく伝道懇志とさせて受領させていただいています 」

 

「 尊い布施の行いに住職として感謝申し上げます 」

 

とお話するんです。

 

近年、ネットの情報が氾濫し、お布施が高いとか安かったとか、あたかもサービスの対価のように扱われているように感じるのです。また、そのような(ネットや葬儀社などを介した)派遣僧侶のなかには、お寺の実態を持たずにアルバイト感覚で法務を請け負うマンション僧侶(布教活動や伝道活動を行わず、マンションに住み、読経のみの依頼を受けている)は、まさにお布施の意味をはき違えているではないでしょうか。お預かりしたお布施を仏法興隆の為にと所属寺にお供えもせず、アルバイト代のように扱い生活費や遊興費とされているのであれば、あまりにも悲しいと言わざるを得ません。

 

私をはじめ、正規のお寺(埼玉組の寺院をはじめ宗派から承認された布教所など)と住職としての責任と願いは、今はもちろん後世まで、釈迦牟尼世尊が、そして宗祖が顕かにしてくださった、仏の教えをそして浄土真実の教えを伝えさせていただくことこそが、お寺と住職(僧侶)としての責任でありご恩報謝の生き方である、と日々いただいているのです。その活動として、各寺院が出来る範囲の中で寺報(お便り)を発行されたり、定例の法話会や恒例法要を勤修されたりといった寺院活動を継続させていただいているのです。またお寺のなかには、子ども会や寺子屋スクール、写経の会や聖典の学習会、または公開講座等を開催し、仏教・浄土真宗の教えを伝える活動(伝道活動)を日々行わせていただいているのです。すべて皆様からの年会費やお布施といった財の施しが、この活動を支え、浄土真宗本願寺派という宗派や本山・本願寺、そして仏法を支えているのです。

 

これをお読みの門徒さんや、初めて仏事をお迎えになられる皆様も、どうぞ100年後・200年後に生きる、私たちが見ぬ後世の方々のために活かされる、財施(お布施)をしていただければ一住職として嬉しいですし、励まされるのです。

 

 

合掌

 

 

【2019.10.24 Thursday 17:47】 author : saitamaso
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